看護師の感情をコントロールする方法

医療の現場は人の生死にかかわる緊張感の高い職場です。緊張感は大きなストレスであり、過度なストレスは看護師自身の健康を害することになります。特に精神科看護の領域では、看護師が患者から暴力を受けることや、看護師の対応で患者の状態が著しく変化する特徴があります。患者の精神状態を安定させるためには、患者と日常的にかかわる看護師の精神状態の安定を図ることが重要です。このような観点から、精神病院で勤務する看護師にマインドフルネスを導入し、感情のコントロールを図る取り組みをする研究の発表もあります。マインドフルネスは心理療法として活用できますが、その危険性も指摘されており、きちんとした技術を持った人が行わなければなりません。そのため、看護の現場で患者に導入することは難しいと言われています。

しかし、心身ともに健康な看護師が自身にマインドフルネスを導入することで、看護師自身が精神の安定を図り、仕事で受けるストレスを軽減させることには何も問題はありません。患者から受けた暴言や暴力、スタッフの目に付く行動などもマインドフルネスで自分と向き合うことで考え方がポジティブになり、負の連鎖を断ち切ることができるのです。他人を変えることはできませんが、自分が変われば他者から自分への対応を変えることができる可能性があります。看護師も患者もどちらも人間であり、感情を持っています。自分の感情をコントロールできるのは自分自身だけです。自分を変えるツールとしてマインドフルネスはとても有効だと言えます。